コールセンターは採用難？
採用難が叫ばれているコールセンターですが、コロナ禍に飲食業や観光業などで職を失った人の受け皿となり、その状況は一時的に改善傾向にありました。
下記グラフは、求職者一人当たりに何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」を示しています。2020年に有効求人倍率が急減していることからも採用難が改善されたと想像することができます。
しかし、2022年5月の厚生労働省による「屋外ではマスクを外そう」という呼びかけからも、コロナ禍以前の採用難が舞い戻ることも推測されます。
また、コールセンターは採用難に加えて、離職率の高さも問題となっています。
コールセンターは地方圏に構えられやすいため、地方の過疎化や少子高齢化に伴う労働人口の減少などの社会的要因による影響を受けやすくなってしまいます。
そのため、離職率の上昇は切っても切り離せられない課題なのです。
コールセンターの仕事はきついと思われている？
コールセンターの仕事はつらいという声もよく耳にしますが、これは他の職業と比べてさらに採用難を加速させる原因になっているのでしょうか？
基本的にマニュアルは整備されており体力仕事ではないものの、クレーム対応などにより精神的にきついと感じる人がいることが実情です。
その経験談の口コミを見て、就職を懸念する人もいるでしょう。
そのためクレーム対応があることなど従業員の負荷になる可能性については事前に共有しておくことが大切になってきます。
事前に対応方法などを認識し、クレーム自体はコールセンターにではなく商品・サービスに対しての意見があるので思い詰めすぎる必要はないとの声かけがあることで働きにくさが払拭される人もいるはずです。
コールセンターの仕事の楽しいところは？
しかし、もちろんコールセンターでの仕事に対して楽しくやりがいを感じている人もいます。それでは、どのようなところに楽しさや魅力を感じているのでしょうか。
①顧客から感謝される
お問い合わせ内容を解決し、丁寧な対応ができた時には顧客から感謝を伝えられることがあります。
クレームを受けた際にも、的確な説明をして納得していただくことができると自分の成長を感じて嬉しくやりがいを感じるようです。
また、顧客のみに限らず、商品・サービスの不備によりお問い合わせが殺到した場合、適当な対応をすることでサービス提供元からも感謝される場面もあるでしょう。
あらゆる場面で困っている人の手助けができる職業であり、やりがいがあるということは魅力的なポイントです。
②同僚と仲良くなり、友だちが増える
一般的に数十名〜数百名規模にもなる同僚がいるコールセンターでは友だちができて楽しく働けると感じる人もいます。
幅広い年代の人が勤務するため、普段会えないような人たちと仲良くなれるいい機会にもなります。
休憩時間に何気ない雑談をしてクレーム対応などで溜まったストレスを解消する人もいるので、休憩スペースを完備している会社は強調して求人をするといいでしょう。
③効率的に稼げる
給料が高いのに加え、インセンティブがあることで土日祝日・年末年始などに出勤して稼ぎたいと考える人もいます。
フレックスタイム制を導入していたり、シフトの融通が効くと、効率的に働きたいと考えている人にとっては魅力的な職場になります。
また、スキルや知識を身につけて臨機応変に対応できるようになると楽しく稼ぐようになるのに加え、実績によってインセンティブを設けているとさらにやりがいを感じるでしょう。
その他にも、「未経験から働くことができる」「服装や髪型の自由度が高い、「コミュニケーション能力がつく」ことなどがコールセンターで働くメリットだと感じられています。
コールセンターの体験談
では実際にコールセンターでの勤務経験談を見てみましょう。
＜ポジティブ＞
・コミュニケーション能力が身につき成長を感じることができた
・感謝をされた時などに達成感を感じる
・マニュアルを見て仕事ができるため働きやすい
・シフトや服装などに融通がきき、座って楽に仕事ができる
・クレーム対応に不安を感じていたが、想像していたよりも少ない
＜ネガティブ＞
・商品・サービスのマニュアルを覚える必要がある
・クレーム対応など精神的に辛く感じることがある
・ノルマがあるときつく感じる
思い詰めすぎる傾向がある人には難しい場面もありますが、向上心がある人やコミュニケーションが好きな人に向いている職業です。
自社に向いている人の特徴を提示し、求職者が検討しやすくしてあげましょう。
コールセンター採用のコツ
では、最後にコールセンターの採用のコツについて、3つのポイントを説明します。ひとつひとつ自社に当てはめて確認してみてください。
①求人サイトの見直し
利用中の求人サイトをしばらく見直していない場合は、現在のサイトが自社にとって効果的であるかを見直しましょう。
求人サイトの数は多く、それぞれ異なった特徴を持ちます。どのサイトを利用すべきか迷うと思いますが、
大手有名サイトだけではなくコールセンター特化の求人サイト「コールセンター求人ナビ」など含め、できるだけ数多くのサイトに掲載するのもひとつの戦略です。
限られたサイトのみに掲載したい場合は、競合他社が掲載しているサイトを確認して検討しましょう。
また、求人サイトだけではなく、タウンワークからSNSまでさまざまな媒体に情報を載せましょう。
求職者の中は空いた時間に求人情報を探す人も多いため、少しでも多くの人の目に触れるように掲載することが重要なのです。
②差別化を図れるポイントの発信
他社にはない独自の魅力を伝えましょう。求人内容を目にされる機会を増やしても内容が魅力的でなければ、採用には繋がりません。
給料が高い会社は金額を目立たせて記載し、充実した福利厚生や実際の従業員の声など社内の雰囲気がわかる内容も大切なポイントになるので、わかりやすく発信しましょう。
漢字の多用や文章が長いことで読みにくくはないかなど、見た目にもこだわることも大切です。
③待遇を改善する
掲載内容を魅力的にするためにも、従業員への待遇の見直しも同時に行いましょう。
現在よりも給料・福利厚生・働き方をさらに魅力的に整えることはできないか検討してください。
ターゲットを絞って採用を行う場合には、そのターゲットの特性に特化した福利厚生や制度を設けるのも良いでしょう。
例えば、主に主婦をターゲットとして採用したい場合には、フレックスタイム制の導入で子どもがいない時間のみの勤務を可能にしたり、リモートワークができると魅力的に感じます。
まとめ
ネガティブなイメージを持たれやすいコールセンターですが、適した職場環境を見つけることができれば楽しく働くことができるはずです。
採用難や高離職率に対処し、採用を成功させるには働く環境や求人方法の整備が鍵となります。
求職者とのマッチングを上手くいかせるためにも、ひとつひとつ漏れなく改善していきましょう。
